「債権奉行クラウドの導入を検討しているが、本当に効果的か?」
このように悩む経営者の方も多いのではないでしょうか。ツールの導入コストや使い勝手については、実際に使ってみないと分かりにくい部分もあります。
そこで本記事では、ITストラテジストかつ中小企業診断士として現場の課題解決を行う筆者が、債権奉行クラウドの特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。
実際の口コミや評判も踏まえて、中小企業にとっての導入価値について徹底的にご紹介します。
- 債権奉行クラウドは経理担当の債権管理業務を効率化するツール
- 企業規模に応じた料金プランを柔軟に選択できる
- 「奉行シリーズ」との連携でより便利に
- サポート体制は5段階のステップで、導入から運用まで支援
債権奉行クラウドの基本情報
債権奉行クラウドは、企業の入金消込や債権管理を効率化するためのクラウドサービスであり、さまざまな業種・規模の企業に対応しています。以下に、会社やサービスの概要について表形式でご紹介します。
会社名 | 株式会社オービックビジネスコンサルタント |
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料金プラン | 【小規模企業向け】 月額6,500円(年額78,000円)から 【中小企業向け:】 月額14,750円(年額177,000円)から 【その他】 ・年間契約が必要 ・30日間の無料トライアル期間あり |
サービス概要 | 債権管理、入金管理、入金消込を自動化するクラウドベースのシステム |
主な機能 | ・入金消込の自動化 ・銀行データの自動取得 ・請求書の電子化 ・自動送付 ・滞留債権管理と督促の自動化 ・与信管理 ・請求先管理や取引先グループ管理 |
対象ユーザー | 小規模企業から中堅・上場企業まで幅広く対応 ※業種:小売業、サービス業、飲食業、娯楽業、製造業など |
公式サイト | https://www.obc.co.jp/bugyo-cloud/saiken |
債権奉行クラウドは、入金管理や債権管理に特化した機能を備え、小規模企業から大企業まで幅広いユーザーに対応していることがわかりました。また、無料トライアル期間が用意されているため、導入前に実際の操作感や利便性を確認できるのも大きな利点といえるでしょう。
債権奉行クラウドの料金プラン
債権奉行クラウドでは、小規模企業からグループ企業まで、それぞれのニーズに合わせた機能と料金体系が設定されています。
本記事では中小企業の経営者や経理担当者に向けて、以下のプランを紹介します。
使用できる機能 | 月額・年額・初期費用 | 債権/入金伝票明細件数合計 | |
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小規模企業 | 限定的 | 月額 6,500円 年額 78,000円 初期費用:なし | 50,000 明細まで |
iEの機能すべて | 月額 8,500円 年額 102,000円 初期費用 50,000円 | 100,000 明細まで | |
中小企業 | iEの機能すべて | 月額 14,750円 年額 177,000円 初期費用 50,000円 | 400,000 明細まで |
iEの機能すべて+α | 月額 18,000円 年額 216,000円 初期費用 60,000円 | 400,000 明細まで | |
iBの機能すべて ※請求書発行が 必要な場合はこちら | 月額 22,000円 年額 264,000円 初期費用 70,000円 | 400,000 明細まで |
iB:中小企業向けで、より多機能で拡張性があるプラン
※より大規模な債権管理を要する場合には、個別見積もりが必要になります。
小規模企業向けの最安値プランでは、使用できるのは基本的な機能に限定されていますが、月額料金が抑えられて初期費用も発生しません。一方、中小企業向けのプランでは、初期費用がかかるものの、利用できる機能が充実して処理可能な明細件数も増えるため、膨大な数の債権管理が必要な企業に適しています。
それぞれのプランの特徴を理解し、自社の業務効率化に最適なプランを選択することで、債権管理業務を効果的にサポートできるでしょう。
債権奉行クラウドの特徴
債権奉行クラウドには、大きく以下5つの特徴があります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
「入金消込・入金管理」で業務効率を向上
債権奉行クラウドでは、銀行からの入金データを自動で取得し、AIが振込依頼人名と手数料を学習することで、正確な消込処理が可能です。従来は手作業で行っていた入金消込作業を自動化し、経理担当者の作業時間を大幅に削減します。
さらに、過入金や消費税差額にも柔軟に対応できるため、複雑な入金パターンでも正確な管理が可能です。システムによる高精度な自動マッチングで、ミスのない確実な入金管理業務を実現します。
「請求・回収予定管理」で回収業務を効率化
債権奉行クラウドでは、請求書の発行から回収予定表の作成まで自動化することで、回収業務の効率を大幅に向上させます。取引先ごとの回収サイトに応じて予定を自動生成し、急な変更にも柔軟に対応可能です。
営業担当者はリアルタイムで最新情報を確認でき、タイムリーな回収活動を展開することが可能です。常に正確な情報を共有できる環境により、営業と回収業務のスピードアップを実現し、回収率の向上へとつながります。
「債権管理帳票」で経営判断をサポート
債権奉行クラウドは、債権管理業務の効率化と経営判断の迅速化を実現します。請求先元帳、入金集計表、債権残高一覧表など、必要な帳票を自動で作成することで、管理業務の手間を大幅に削減。
さらに、分かりやすい分析帳票により、債権状況を瞬時に把握できるため、的確な経営判断に必要な情報をすぐに入手できます。
「奉行製品との連携」でデータ管理を効率化
債権奉行クラウドは他の奉行クラウド製品と連携し、企業のデータ管理と業務プロセスを効率化できます。以下に、主な連携機能を3つご紹介します。
商奉行クラウド×債権奉行クラウドで販売管理を効率化
販売管理の全工程をワンストップで実現します。受注データから売上計上、請求書発行、入金管理、消込作業まで一連の業務をスムーズに処理でき、二重入力も解消されます。
営業活動の効率が大幅に向上するだけでなく、ミスのない正確なデータ管理を実現できるでしょう。
債務奉行クラウド×債権奉行クラウドで正確な債務管理を実現
債権・債務の管理業務を一元化。債権・債務の発生から支払・入金、消込に至るまでの処理を自動化することで、業務効率が飛躍的に向上します。
特に、取引先との相殺処理も正確かつスピーディーに行えるため、より確実な債務管理を実現できます。
財務会計システム×債権奉行クラウドで迅速な会計対応
債権の発生から仕訳起票まで一連の会計処理を自動化することにより、会計業務の大幅な効率化を実現するとともに、常に最新の会計データをリアルタイムで把握できます。
正確かつタイムリーな財務情報を基に、迅速な経営判断や的確な財務報告が可能になるでしょう。
「API連携」で柔軟なデータ管理を実現
債権奉行クラウドは、APIを活用して他の基幹システムと柔軟にデータ連携できます。既存システムとの統合が容易なため、企業独自の業務フローに合わせた運用が可能です。
システム間でのデータ連携が自動化されることで、手作業によるデータ入力が不要となり、業務効率が大幅に向上。さらに、一貫したデータ管理により、企業固有の業務プロセスにも柔軟に対応できます。
債権奉行クラウドの評判
債権奉行クラウドは、企業の入金消込や債権管理業務を効率化するクラウドサービスとして、多くのユーザーから高い評価を得ています。一方で、使い勝手や費用に関する課題も指摘されているため、良い評判と悪い評判の双方について紹介します。
債権奉行クラウドの良い評判
- 操作しやすい
- サポート体制が充実している
- 業務が効率化された
- 高いセキュリティ体制が整っている
直感的なインターフェースと豊富な機能で、経理業務に不慣れなユーザーでも扱いやすい点が好評です。サポートデスクの対応が迅速で、業務に精通したスタッフが具体的な解決策を提供してくれるため、安心して利用できるという声も多くあります。
また、回収予定表の自動作成などによる業務効率化を実現している点、日本国内のデータセンターでセキュリティ管理が行われている点についても企業からの信頼を得ているようです。
こうした利点により、債権奉行クラウドは多くの企業にとって頼れるサービスと評価されています。
債権奉行クラウドの悪い評判
- 年に数回の不具合が発生する
- データ処理速度が遅いことがある
年に数回の不具合が発生するという報告があり、特にインポート作業でのエラーやデータ処理の遅延が問題視されているようです。また、豊富な機能がある一方で、操作が複雑になり、新規ユーザーにとっては必要な機能を見つけるのが難しいという声もあります。
また、大量のデータ処理時にシステムが遅延することが業務スピードを妨げているとの意見もありました。
債権奉行クラウドを選ぶ際の注意点
債権奉行クラウドの導入を検討する際には、特に企業のニーズや他システムとの連携、費用、サポート体制といった点をよく確認することが重要です。
以下、導入の際の注意点について詳しく解説します。
企業のニーズにマッチするプランを確実に選ぶ
債権奉行クラウドには、債権管理や入金消込、請求書発行といった基本機能が備わっていますが、企業ごとの特定のニーズに合ったプランを選ぶことが重要です。特に、業種や業務プロセスによっては標準機能だけで対応しきれない場合もあるため、必要に応じたカスタマイズが可能かどうかを確認しておくと良いでしょう。
自社の業務内容に最適な機能が揃っているかどうかを見極めることで、導入後の業務効率化がさらに進みます。
他システムとの連携が可能か確認する
債権奉行クラウドを導入する際には、既存の会計システムや販売管理システムとのデータ連携がスムーズに行えるかどうかも重要なポイントです。APIによる連携が可能かどうか、または既存システムに影響なく統合できるかを事前に確認しておくと、導入後の運用がよりスムーズになります。
他システムとデータのやりとりが容易に行えると、業務全体の効率化に貢献し、二重入力や手作業による負担を軽減できます。
導入コストと運用コストを確認する
債権奉行クラウドでは、最安値プラン以外には初期費用と月額費用がかかります。導入前に自社の予算に合ったプランを慎重に選定し、初期費用を含めたコストを検討することが必要です。
長期的な運用コストも視野に入れ、自社にとって無理なく持続可能な料金体系であるかを確認することが大切です。
運用前・運用後のサポート体制を確認する
導入初期には不明点やトラブルが発生しやすいため、問い合わせ対応が迅速であるか、また運用に必要なノウハウをサポートスタッフが提供してくれるかを確認しておくと安心です。また、トラブル発生時の解決策や、スムーズな運用を支援する体制が整っていることも重要なポイントです。
運用後の安定的なサポートも確保することで、長期的に安心して利用できるサービス環境を整えられるでしょう。
よくある質問
まとめ
債権奉行クラウドは、企業の債権管理や入金処理の自動化を実現し、経理業務を大幅に効率化するツールです。
奉行シリーズの他システムとの連携やAPIによるデータ連携機能により、既存システムとスムーズに統合できる点も大きなメリットといえるでしょう。さらに、充実したサポート体制により、導入から運用まで安心して利用できます。
導入を検討する際は、自社の業務に最適なプランや連携機能、サポート内容をしっかり確認し、経理業務の効率化に役立てていただければと思います。